J鉄局の珍車ギャラリー
ギャラリー
「リアル チャギントン。」
−岡山電気軌道 1081 「おかでんチャギントン」
| 岡山電気軌道では2019年3月から、新たに観光電車の運行を開始しました。 岡電では、かねてから「TAMA電車」とか「くろ」とか、 在来車を改造して個性を強く打ちだした電車を登場させていますが、 今回は新車です。 車番は1081。 番号との整合性については既出の珍車ギャラリーを見ていただくとして、 9200形（MOMO）の第3編成ということになります。 しかし MOMOとは、全く異質の電車です。 正式名称は「おかでんチャギントンリアル電車・ウィルソン／ブルースター号」。 「リアル」の名が示すとおり、 イギリスの鉄道アニメ『チャギントン』の世界をリアルに再現しています。 −−と簡単に言ってのけましたが、 空想上の車両である「Chuggington」を実際に走らせるのは、 容易なことではないでしょう。 車体のデザインは水戸岡鋭治氏。 水戸岡氏はこんなこともできるんだ。 「さすがだなあ。」と思わざるをえません。 MOMO、MOMO2と同じく、「おかでんチャギントン」は ボンバルディア・トランスポーテーションが製造、 新潟トランシスが組み立てと改造を行いました。 ですが、MOMO2を組み立てたときとはワケが違います。 スタッフの方々のご苦労は大変だったろうと偲ばれます。 例えば、運転台です。 キャラクターの左目の部分に設置されています。 通常の路面電車より1メートルほどかさ上げしているので、 見晴らしは良さそう。…といいたいところですが、さにあらず、 どうみても死角だらけです。 となればサイドミラーが必須のアイテムですが、 「チャギントン」のイメージを忠実に再現するため、 「おかでんチャギントン」にはサイドミラーはついていません。 車両のいたるところに設置したカメラでもってこれにかえます。 伊予鉄の「坊ちゃん列車」と同じですね。 運行には専属の運転士が乗務するそうです。 今までの路面電車にない といえば、 全席予約制であるということもそうでしょう。 いやいや、それだけではありません。 JR東日本のイベント列車などでも取り入れている 「ツアー商品」としての扱いになっているのです。 岡山駅前発の便の場合、 岡山駅前⇒清輝橋線（往復）⇒ 岡山駅前 ⇒ 東山・おかでんミュージアム駅（終点） と50分かけて全線を周遊します。 街中を走るわけですから、景色にそれほど期待はできません。 一緒に乗りこんでいる かわいいナビゲーターさん とともに チャギントンの世界をどれだけ楽しめるかが、カギになりそうです。 そう、やはりターゲットは子どもたちですね。 ところで「おかでんチャギントン」には16名分の大人用座席が用意されていますが、 子どもたちに座席は用意されていません。 「なぜ？」って思わないでください。 子どもたちにとっては座席に縛り付けられているより、 電車内でどこでも自由に座って遊べる方が良いに決まっています。 ちなみに、車内は土足厳禁です。 チャギントンのお話の中では描かれない ウイルソンとブルースターの車内ではありますが、 そこは水戸岡マジックで演出されたたのしい室内です。 「好きなところで自由にめいっぱい楽しんでもらいたい。」 という明確なコンセプトが打ち出されているのです。 なお、子どもたちは座席予約できませんから、 必ず保護者同伴ということになります。 料金は、運賃（1日切符）と「おかでんミュージアム」の入館料と 関連グッズをセットにして3500円（大人1名）となっています。 これが高いか安いかは乗ってみないとわからないところですが、 車両作製にかかる総額は、通常の2倍以上。 およそ5億円をかけたそうです。 定員は1両あたり34人（子供12人、大人24人）。？ 平日は1日4便 土日祝及び春・夏・冬休み期間は1日5便の運行です。 お休みの期間以外は週2回の運行ですから、 たとえすべて満席でも、5年でペイできるかなあ。 ナビゲーターさんも含め人件費もかかるし、 「チャギントン」の人気もいつまで続くことやら…。 いやいや、そんなことを考えてたら、何もできません。 世界175以上の国と地域で放映されている、 イギリス生まれの人気鉄道アニメ「チャギントン」。 いつも元気いっぱいのウィルソンや、力持ちのブルースターたちのパワーで、 海外からのお客様を呼び込み、平日もフル運転できたらいいですね。 そうそう、 MOMOと同ﾀｲﾌﾟの電車が活躍する富山へ出張させるのもおもしろいのでは？？。 参考：岡山電気軌道のHP |
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